ミラノサローネ2012レポート

Chapter01 世界中から注目されるミラノサローネ

毎年4月にイタリア・ミラノで開催される「サローネ国際家具見本市」。これはミラノ郊外のローフィエラ会場で開催される世界最大規模の家具見本市で、年によって、キッチン、バス、照明などの展示会が同時開催され、これらをまとめてイ・サローニといいます。

ミラノサローネとは、その家具見本市を中心としたイ・サローニと、フオーリ・サローネと呼ばれるミラノ市街で催される様々なイベント・展示会をまとめて指す通称です。

今年のイ・サローニは、2年に一度のキッチン見本市(エウロクチーナ)も開催され、4月17日〜22日に開かれました。

ヨーロッパ経済が冷え込み、来場者数の減少が懸念される中、33万1649人という前年度比3.1%増の来場者で終了したことは、世界中から欠かせない見本市として注目されていることの現れでしょう。この期間、世界中からインテリア関連の人々が訪れ、町中が賑わいます。

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Chapter02 カラフルになった2012年

サローネ国際家具見本市、キッチン見本市、いずれも今年は色にあふれた会場でした。椅子、ソファなど、形はシンプルながら丸みを帯びたやさしいものが増え、アクセントカラーとして、オレンジ、レッド、イエローなどのビビッドなカラーが多く用いられていたようです。特にオレンジはとても多く見かけ、今年のカラーといってもいいでしょう。

また、フェミニンでエレガントな雰囲気のものも増え、それに伴って、ソフトなパステルカラーや落ち着きのあるペールトーンも多く見かけました。
パステル調のピンクやブルーを使った爽やかなコーディネーション、ペールトーンのブルーやグリーンをグレーやブラウンと組み合わせた大人のコーディネーションなども今年の傾向のようです。

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Chapter03 楽しい街歩き

プロを対象としているイ・サローニに対して、街中で行われるフオーリ・サローネは、他の国の見本市にはないミラノサローネだけの楽しみでもあります。誰でも参加できて、ミラノという街自体を楽しむことができるのが魅力です。

フオーリ・サローネで最大規模のエリアはトルトーナ地区です。その中心となっている会場がスーパースタジオ。今年ここには、日本の企業、リクシル、キヤノンなどが出展していました。また、ファッションブランドのディーゼルがホームコレクションを展示、今年はキッチンが新登場しています。このエリアは、企業から学生まで出展者も様々なので、いろいろなジャンルや新しい動きなどが見られるのも楽しみです。

ミラノ中心街、ブレラ美術館があるブレラ地区はアートギャラリーが集まっていて、サローネ時期はこれらギャラリーでの展示が多数開催されます。石畳の古い街並みも味わい深いエリアです。この他、ミラノ市街での展示はどんどん拡大していて、ここ数年で展示数が増えているランブラーテ地区も注目のエリアです。

また、ファッションブランドと家具メーカー、照明メーカーなどとのコラボレーションも年々増え、有名ブランドが軒を連ねるモンテナポレオーネ通りは、期間中特別なディスプレイを見かけるようになりました。街を歩いている中で出くわす意外な家具の展示、いろいろなジャンルがミックスしたユニークなインスタレーションなど、ミラノサローネならではの楽しさです。

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Chapter04 フオーリ・サローネの醍醐味

フオーリ・サローネの楽しみはもうひとつ。ミラノの古い建築や空間まで味わえるところもフオーリ・サローネの醍醐味です。ミラノ大学の構内で行われる、インテリア雑誌『インテルニ』による企画展も毎年話題となるイベントで、様々な企業やアーティストが参加し、ミラノ大学の古い建物や遺跡の残る中庭など、空間ごと味わえる展示となっています。今年はパナソニックがここに出展し、中庭とそれを取り巻く回廊で太陽光パネルによる光のインスタレーションを行っていました。

また、日本の家具メーカー・カリモクは、ブレラ地区のアパートメントのようなギャラリーで家具展を開催。年月を感じさせる古い空間で、まるでそこに暮らしているかのような日常のシーンを展開し、ミラネーゼの気分も味わえる展示となっていました。

近年大人気のイタリアのアウトドア家具メーカーPAOLA LENTIの展示も見逃せません。元修道院という歴史有る建物を会場として、レモンやハナミズキなど、テキスタイルのカラーに合わせた植栽を配した素敵なディスプレイを見せてくれました。

ただ商業的な見本市だけでなく、家具や生活道具を生み出す文化背景まで感じさせ、楽しませてくれるミラノサローネ。そこに最大の魅力があるようです。

エディター / 内田みえ

コンフォルト2012年8月号(2012年7月5日発売)別冊付録と本誌イベントレビューにてミラノサローネ2012年のレポートを掲載。

http://confort.ksknet.co.jp/