ミラノサローネ2014レポート

Chapter01 さらに来場者が増加、ミラノサローネ国際家具見本市

毎年4月に開催される世界的な家具・デザインの祭典ミラノサローネ。その主軸となる「ミラノサローネ国際家具見本市(サローネ・デル・モービレ・ミラノ)」(4月8日〜13日)には世界中からバイヤーやプレスが詰めかけ、今年の来場者は昨年比13%増の35万7217人という盛況ぶりでした。

ミラノサローネ国際家具見本市のローフィエラ会場には、ハイエンドな高級ブランドから、トレンドセッターといえるデザインブランド、近年ではファッションブランドのホームコレクションも多数出展しています。代表的なブランドからは、今年の傾向が感じられてきました。ここ数年からすると、だいぶシックな色合いが増えてきたようです。

多く見かけたのは、グレーやブラウンを基調に、彩度を落としたグレイッシュなブルーやグリーン、ピンク、オレンジなどを組み合わせたカラーコーディネーションで、高級感ある落ち着いた雰囲気がトレンドのようでした。その中で、きらびやかさで目立っていたのがカルテル(Kartell)。ゴールドやシルバーなどメタリックに飾り上げながら、品の良さを感じさせていたのはさすがでした。

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Chapter02 多様なデザインが展開、フオーリサローネ

この期間、ミラノ市街にもさまざまな展示が繰り広げられます(通称フオーリサローネ)。今年、大きな話題となっていたのは、中世の元貴族の館で初の照明コレクションを発表したエルメス(HERMÈS)。完璧なまでのクオリティに多くの人が感嘆の声を上げていました。元修道院という建物での展示も4度目となったパオラ・レンティ(PAOLA LENTI)は、日本の伝統色からインスパイアされたというグリーンやブルー、ベージュなどの新色を展開。自然に溶け込む優しい色合いとなっていました。

トルトーナ地区では、昨年同様大きな写真を背景に新作をコーディネートし、独自の世界観を表現したオランダのモーイ(moooi)が、ブレラ地区では、遊び心に富んだ北欧スタイルを展開するデンマークのヘイ(HAY)が人気を集めていました。

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Chapter03 デザインを体感できる町中のイベント

フオーリサローネでは、一般の人も参加し、楽しめるイベントもあります。今年、コルソ・コモ近くの広場では、パブリックデザインの展示イベントが開催されていました。さまざまな屋台が置かれ、実際にそこで調理したパニーニや飲み物などを販売。ベンチやテーブルなど、ストリートファニチャーも置かれていて休むことが出来ました。提案されたデザインを体感出来るのもミラノサローネならではの楽しみでしょう。

また、日本からの出展も年々増えています。今年、評判となったのが、サローネ初出展だったシチズン。みなさんもご存じの時計メーカーですが、ヨーロッパでもっと多くの人にシチズンという時計ブランドを知ってもらいたいという意図で出展したそうです。時計の基盤である地板を無数に吊り下げたインスタレーションは、なんとも美しい幻想的な空間をつくり出し、感動を呼んでいました。日本のものづくりやデザイン力も再発見できた、2014年のミラノサローネでした。

エディター / 内田みえ

インテリア・マガジン『コンフォルト』(建築資料研究社)の編集に携わり、2001〜2003年同誌編集長を務めた後、フリーランスの編集者として独立。「ものづくり」とその「現場」に興味を持ち、建築、インテリア、デザインといった分野を中心に編集・ライティングを手がける。