ミラノサローネ2015レポート

Chapter01 展示デザインも見所。ミラノサローネ国際家具見本市

今年もミラノサローネが開催されました。家具を中心とした、世界一の規模のデザインの祭典です。メインとなるローフィエラ会場では「ミラノサローネ国際家具見本市(サローネ・デル・モービレ・ミラノ)」が4月14日~19日に開催され、世界中から31万人を超える人々が訪れました。

このミラノサローネ国際家具見本市には実にさまざまな家具メーカーが出展します。高級クラシック家具からモダンデザインブランド、ファッション・ブランド、ライフスタイルを提案する個性的なブランドからベーシックなリアル・ファニチャーまでと多岐に富み、毎日通っても見切れないほどです。

デザインを牽引する人気ブランドを覗くと、今年もたくさんの来場者で賑わっていました。プラスチックの家具メーカー「カルテル(Kartell)」は、クリアでカラフルな新作を多数発表。パトリシア・ウルキオラのデザイン、カットガラスのようなブリリアントな食器は人気を集めていました。

見本市は新作発表、商談の場でありますが、商品をどのように見せるかその展示も見所です。「ヴィトラ(vitra)」は今年、日本人建築家・長坂常さんを起用。パレットを使った展示が評判となっていました。

PageTop

Chapter02 一流ブランドの豪華な展示から、楽しめる展示まで

ミラノの街中で行われる展示は、フィエラ会場の外(フオーリ)という意味で、フオーリ・サローネと呼ばれます。今年、フオーリで一番の話題となっていたのは、ご存じ、フランスのファッション・ブランド「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」です。ノマド(遊牧民、放浪者)をテーマに、折り畳み式のスツールやチェア、ランプ、ハンモックなど、ヴィトンの皮革の高い縫製技術を活かした、これまでにないクリエイティブな作品が並びました。会場は19世紀初頭に建てられた元貴族の邸宅。なんとも贅沢なひとときでした。

3年前から写真を背景に独特の表現を見せる「モーイ(moooi)」は、カーペットの新ブランドを発表。モーイの世界観をさらに深める、アートのようなカーペットが並びました。

昨年同様、17世紀の貴族の館で展示を行ったエンジニアドストーン・メーカー「シーザーストーン(caesarstone)」は、天井の高い大空間に、床材とシートにシーザーストーンを使ったブランコを設置。なんと実際に乗れ、子供も大人も大いにブランコを楽しんでいました。サローネならではの展示といえるでしょう。

PageTop

Chapter03 継続は力。浸透してきた日本からの出展

今年、日本からの出展で注目を浴びたのがネンドの個展です。ペルマネンテ美術館という大きな会場で、21ブランドとの35のコレクションを展示しました。それらはこの1年で手がけたものだけというから驚きです。その他、今年初出展となった旭硝子、6年目のカリモクニュースタンダード、すでに常連となったレクサスなど日本勢も多く見かけました。なかでもがんばりを感じたのは、徳島の小さな家具メーカー「宮崎椅子製作所」。4年目の今回も地道に家具づくりの姿勢を伝える展示で、多くの来場者を集めていました。

2015年のサローネは全体的に新作は少なく、依然とした経済の低迷は否めないところですが、だからこその努力も多く感じられました。来た人をいかに楽しませてくれるか、それもサローネの醍醐味です。

エディター / 内田みえ

インテリア・マガジン『コンフォルト』(建築資料研究社)の編集に携わり、2001〜2003年同誌編集長を務めた後、フリーランスの編集者として独立。「ものづくり」とその「現場」に興味を持ち、建築、インテリア、デザインといった分野を中心に編集・ライティングを手がける。