ミラノサローネ2007レポート

エキサイティングなインテリアの祭典を最新レポートでご紹介

世界最大の国際家具見本市ミラノサローネ。
最近では見本市の枠を超えてデザインやアートの実験的な作品も数多く、世界中から注目を集めています。
今回はイタリア ミラノで2007年4月18日~23日に開催されたミラノサローネのレポートをお届けします。
照明器具を出展されたインテリアデザイナーの笠原英里子さんに現地での印象をうかがいました。

街全体がサローネ会場になるインテリアのお祭りって?

カサハラデザインワーク 笠原英里子

Chapter01 ミラノの街全体が展示会一色に染まる 主会場の面積は、幕張メッセの約4倍

世界最大のインテリアおよび家具の展示会「ミラノサローネ」が初めて開催されたのは1961年。今年で46回目を迎えます。昨年2006年には約2200社が出展し、入場者数は22万人にのぼりました。
このことからもミラノサローネの規模の大きさがうかがえます。

会場風景 その2

主会場のフィエラ・ミラノは、展示面積だけでも約200,000m2(幕張メッセの約4倍)もあるので、ここを見るだけでもたいへんですが、そのほかにもトリエンナーレ、トルトーナ、ブレラ、ドゥオーモ地区などに会場が点在しています。

あちこちで展示会やイベント、パーティーなどが開かれ、期間中は、ミラノの街全体がサローネ一色に染まり、世界中から集まった大勢の人たちで賑わいます。

会場風景 その1

トリエンナーレ地区は、東京でいえば青山のようなファッショナブルな場所です。ここには家具メーカーのB&Bイタリアやカッシーナ、照明メーカーのフロスなどが並び、ミラノサローネの期間中は各社がショールームで最新作を発表しています。

ミラノの中心地から少し離れたトルトーナ地区は、古い倉庫が立ち並ぶ場所でしたが、近年は、ファッションブランドやギャラリーが並ぶ地区に変化し、ブランド発信の中心地として注目を浴びています。ここでは有名デザイナーや企業がまとまった展示をしていました。

高い天井から巨大なスクリーンが吊られているメイン会場

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Chapter02 趣向をこらした各社の展示ブース アート作品のような会場ブースも見所のひとつ

ミラノサローネの見所のひとつは会場のブースです。各社趣向をこらし、さまざまな素材を使い、会場自体がまるでアート作品のようです。今年はガラスやファブリックスなどの透ける素材を使ったブースが印象的でした。

展示全体を通しての印象は、以前のように大きなひとつの方向性はあまりなく、シンプルなもの、ポップなもの、装飾的なものが混在し、多様性があります。あえていえば、装飾的なものが多いように感じました。

ドレスのような椅子

ガラスブロックを使った展示ブース

青竹を模した造形物の展示会場

美術学校の中にはミラノサローネの開催期間は休校になり、学生にサローネを見にいくことを推奨しているところもあるということです。

建築家やデザイナー、デザインを勉強している学生以外にも、ベビーカーを押したお母さんやお年寄りなど近所の人たちも気軽に会場を訪れ、熱心に最新デザインを見ています。
インテリアやデザインに関心の高い人が多いのもミラノならではなのかもしれません。

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日本からもさまざまなデザインを提案。気になる反応は?

Chapter03 日本の先進的なデザインを発信 日本企業・デザイナーもさまざまな分野のデザインを提案

ここ数年は、日本企業やデザイナーもたくさん参加をして、日本のデザインを発信しています。インテリアのみならず、プロダクト、グラフィック、建築などさまざまな分野で先進的なデザイン提案がされていました。

たとえばソニーでは、パソコンのカバーにイタリアの職人さんがつくった革製品を使うなど、日本の最先端技術とイタリアの伝統的な職人の手業を融合して、新しい魅力や価値を生み出していました。

おしゃれなカフェ

スフォルツェスコ城のエキシビション

今年は、東京デザイナーズウィークを主催しているNPO法人デザインアソシエーションがトルトーナ地区でエキシビションを開催しました。日本酒を出すバーが設けられるなどデザインだけでなく、日本文化発信の場でもありました。

日本文化に対する関心が高く、身近なものになっているようで、ミラノのカフェでパンやパスタと一緒に握り寿司が並んでいる光景は新しい発見でした。

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Chapter04 スウィンギング エンジェル 手でぎゅっと握りしめる人も。ストレートな反応が印象的

私もここで「スウィンギング エンジェル」というクリオネをイメージした照明器具を発表しました。巻き貝の一種クリオネは、ふわふわとダンスをするような姿から「流氷の天使」と呼ばれています。半透明のシリコンの中にLEDを埋め込み、ゆらゆら揺れるクリオネの中でハート型の赤い光が透過して見える仕掛けです。

クリオネが海の中を漂っているようだったり、天使が空から舞い降りて来たようだったり‥。赤いLEDが生命を感じさせる楽しげに動く照明器具です。

スウィンギング エンジェル展示風景

スウィンギング エンジェル

会場に来てくださったみなさんは「触らないでください」という表示があるのにも関わらず、手で触って感触を確かめたり、ぎゅっと握りしめる人までいて、終了時には15体全部が“骨折”してしまうというアクシデントもありましたが、それだけ関心を持っていただけたのだという達成感がありました。来場者がデザインを楽しんでいる様子が感じられ、ストレートな反応が印象的でした。

世界中からインテリア好きが集まるミラノサローネ。みなさんも、ぜひ、エキサイティングなインテリアの祭典に参加されてみてはいかがでしょうか。

<笠原英里子さん略歴>
1989年桑沢デザイン研究所スペースデザイン科卒業 1989-98年近藤康夫デザイン事務所勤務
1999年カサハラデザインワーク設立