ミラノサローネ2010レポート

4月のイタリア、ミラノは雨の日が多く、いつも折り畳み傘を鞄に入れ、
寒空の中とぼとぼと街を歩くのですが、ミラノサローネ期間中ともなれば話は別。
履き慣れた靴を履き大股で新しいインテリアスタイルを探しに市内を歩き回ります。

ミラノサローネはインテリアスタイル発信の場

Chapter01 ミラノサローネとは

ミラノサローネとは、見本市会場の催し・市内のデザインイベントの催し全ての総称で、インテリア関係としては世界最大級のイベントであり、単なる家具・インテリアの展示の場ではなく、デザイナーやメディアなどから「新しいインテリアスタイル発信の場」として認知されており、世界中から多くの建築・インテリアのデザイナー、メディア、ジャーナリストなどが集まります。

見本市会場の切符売り場に並ぶ入場者の長蛇の列

今年は、メイン会場となるミラノ郊外の見本市会場「ミラノ国際家具見本市」「国際インテリア装飾見本市」「キッチン見本市(隔年開催)」「国際バスルーム見本市(隔年開催)」「サローネ・サテリテ」(4月14日〜19日開催)と市内のトリエンナーレ会場、「インテルニ(有名なデザイン誌)」主催のショップ参加型イベント(4月13日〜19日開催)、トルトナ地区ほか数地区でイベントが行われました。

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Chapter02 今年のメイン会場(見本市会場)

連続5年以上の訪問となる今年の見本市会場は、開催3日目にアイスランドの火山噴火による火山灰の影響で空港が閉鎖になり、来場者が減少したと伝えられたものの、会場内は相変わらずの盛況ぶりでした。

今年は景気の低迷のせいか、家具見本市会場では、長く使えるシンプルで飽きのこない明るく白っぽい、素材の良い家具が多く見られました。アクセントカラーとしては、グリーン、イエロー、そして今年のファッション流行色であるブルーが、クッションなどのファブリックスや小物に幅広く使われていました。

先が見えないほど広大な見本市会場

白・黒・グレーの配色が多く重厚で暗いインテリア空間が多かったここ数年とは違い、アクセントカラーをあしらった明るい配色により、インテリア空間がさわやかに変わりました。"色の力は偉大である" ことを感じさせる会場でした。

キッチン・バスの展示会場では、派手なプリント柄の扉は影を潜め、ナチュラルな明るい木の扉が多く見られました。 来年は50周年を迎える見本市、どんなインテリアスタイルが飛び出すか楽しみです。

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Chapter03 ミラノ市内のイベント会場は本当に楽しい

見本市会場と違い市内のイベント会場は無料(トリエンナーレ会場の特別展を除く)のため、一般市民も気軽に参加できます。

「インテルニ誌」主催のイベントに参加しているところには、一目でそれとわかるように「インテルニの旗」がひらめいています。旗は店・ギャラリー・ホテルのロビー・倉庫など思わぬ所に立っており、中に入ると家具や照明などデザインがワァッと目に飛び込んできます。見本市会場のようなサイズの決まったブースでの展示とは違い、自由奔放でコンセプト的な見せ方が多く、とても楽しいです。

トルトナ地区イベント会場への入場者の長蛇の列

地下鉄見本市会場駅構内の「インテルニ」の宣伝ポスター

トルトナ地区は年を追う事に人が増え、道は人で溢れ、人気の展示会場には入場者の長蛇の列が出来ていて、昔のように効率よくデザイン巡りが出来ないのが残念です。

もう一つの楽しみとしては、毎晩どこかの会場でフリー!のカクテルパーティーが開かれます。疲れた体にちょっとしたおつまみとアルコールはたまりません。みなさんもミラネーゼ(ミラノ人)になって一杯いかがですか?

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Chapter04 ミラノの暮らしとデザインとの関わり

ミラノで暮らしていると、いつも手の届く所に素晴らしい家具、インテリア、小物、ファッションなどデザインが溢れています。やっぱり恵まれているなぁと感じずにはいられません。

街を歩いていると、今年のファッション流行色であるブルー1色だけでディスプレイされたネクタイ専門店を見つけました、"なんて素敵なの"。トリエンナーレ会場へ行くと、無料で美術関係のイベントが見られました、"なんて楽しいの"。招かれた家の、きれいに整頓された居心地の良いリビングには、"素晴らしい"の一言。インテリア空間への自信と愛着が伝わってきました。

トリエンナーレ会場のイベント風景"何が見えるかな?"

トリエンナーレ会場の中庭

自宅に帰ってもまだあります。素晴らしいデザインのエスプレッソメーカーでコーヒーを入れ、間接照明のみで照らされた落ち着いたリビングで一杯、"至福の喜び"。このような日常の環境が、インテリア・カラーコーディネートに磨きを掛けていると感じます。

デザイン文化の豊かさを感じるミラノ。今度ミラノを旅行される時は、ゆっくりと街を歩いてください。きっと新しい何かが見つかるかもしれません。

Writer / YAMADA MAYUMI