ICC キッズ・プログラム2010

NTT東日本が運営する「NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)」は、
メディア・アートの展示をメインに行う文化施設です。
同施設では、2006年より夏休みに親子で気軽に楽しめる体験型の展覧会
「ICC キッズ・プログラム」を開催、2010年も8月4日~9月5日に行われました。
東リも展示協力を行ったこの展覧会についてレポートします。

Chapter01 音の可能性を体感するイベント

「いったい何がきこえているんだろう」と題した今回のキッズ・プログラムのテーマは、「音」。なぜ音楽でも言語でもなく、音がテーマとなったのでしょうか。

「生態音響学者のウィリアム・W・ガーヴァーは、日常生活では音そのものよりも身の周りの出来事を聞いていることを“日常の聴こえ”と言い、音そのものを聞いている“音楽の聴こえ”とは区別しています。今回の展覧会では作品やデバイスを通して、日常の聴こえを拡張してみるとどうなるのか、体験できるようになっています。

空間デザインはスープ・デザインの土井伸朗さん。大人と子どもの目線により違う表情を見せる

展覧会監修を務めた城一裕さん

「音」の幅広い可能性を小さい頃から知ってもらえれば、世界の受け取り方も幅広いものになっていくのではないでしょうか」。展覧会監修を務めた東京藝術大学情報センターの城一裕(じょう・かずひろ)さんは話します。

会場に入ってまず目に飛び込んでくるのは、頭上を覆う幾層もの布。空間をデザインしたのは、有限会社スープ・デザインの土井伸朗(どい・のぶあき)さんです。布と布との隙間からこぼれる光や布越しの優しい光が印象的。洞窟に入っていくようで、展示へのワクワク感も募ります。

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Chapter02 「凸凹」の音が聞こえる

私たちは日ごろ視覚や足裏の触覚で地面の凹凸などの変化を認識しています。金子智太郎(かねこ・ともたろう)さんと城一裕さんの作品「冒険するガムラン(旅の準備)」のスペースには、人工芝や点状、チェッカー柄のタイルが敷き詰められていて、参加者がその上を振動を音に変換するピエゾマイクとアンプを取りつけた自転車や足蹴り車で走行することで、視覚や足裏の触覚ではなく「音」で地面の凹凸を感じることができます。

床の素材の質感の違いを音で感じられる、東リは床材を提供

金子智太郎さんと城一裕さんによる「冒険するガムラン(旅の準備)」

体験した女の子が「凸凹の音が聞こえる」と言ったとき、城さんは「予想以上にこちらの意図が伝わっている」と感じたそうです。東リでは、この作品で大きな役割を果たした床材(「サニータウン」「プラート」「SGタイル」など)を提供しました。

会場に置かれているのは子ども用自転車でしたが、ときどき身を縮こまらせながら、ぎこちなく自転車をこぐ親や学生の姿も見られ、本イベントが子どもだけでなく大人も楽しめるものであることが伝わってきました。

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Chapter03 「音」の世界を探検

そのほかにも音を体験できる興味深い展示が並びます。

城一裕さんの作品「ドロー・サウンド」は、テーブルの上に4色の絵の具と4本の筆が用意されていて、テーブル上の紙を筆でなぞると音が鳴る仕組みです。それぞれが象の鳴き声や波の音のような異なる音を出し、ゆっくりとした筆運びでは低い音が、早く筆を動かせば高い音が鳴ります。親子並んで、いろいろと試しながら「音を描く」「絵を奏でる」という行為に夢中になっていました。

管野創さんと山本雄平さんによる「テクノフォン・シリーズ」

展覧会監修を務めた城一裕による「ドロー・サウンド」

管野創(かんの・そう)さんと山本雄平(やまもと・ゆうへい)さんの「テクノフォン・シリーズ」は、普段は聞こえない電磁波、光、磁気、電波の音を聞く装置です。装置先端のアタッチメントを交換することで聞きとれる音が変わり、身の回りの電気製品が発する意外な音を聞くことができます。皆さん「テクノフォン」を片手にAV機器や照明、磁気カード、携帯電話に先端を近づけて、テクノロジーの音に耳を傾けていました。

こういった体験型のイベントはやはり会場に出向いてこそと実感。難しいことを考えずに、親子で遊びながら「音楽」でも「言語」でもない「音」の世界を探検できるイベントでした。

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東リが「ICCキッズプログラム2010」へ材料協賛

東リ株式会社(本社:兵庫県伊丹市 代表取締役社長:柏原賢二)では、NTTインターコミュニケーション・センターが主催するICCキッズプログラム2010「いったい何がきこえているんだろう」へ材料協賛を行いました。

ICCキッズプログラム2010【開催概要】
同展示会の内容は、未来を担う子供たちが、「音楽」でも「言語」でもない「音」の可能性を探る、そのきっかけになればという主旨で、普段なにげなく接している「音」をテーマに取り上げています。聴覚と知覚に関する新しい発見ができるように、音と知覚との連動や、音と空間や環境の関係性、ききとり方の変化などを遊ぶように体験できる展示となっています。

会 期: 2010年8月4日(水)~2010年9月5日(日)
会 場: NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)4階特設会場
開館時間: 午前11時~午後6時(入場無料)
休館日: 月曜日
主 催: NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)
協 力: 東京藝術大学芸術情報センター、東京藝術大学先端芸術表現科古川研究室、Circle Twelve Inc.
展示会監修: 城一裕
後 援: 新宿区教育委員会
URL: http://www.ntticc.or.jp
協賛商品: ゴムタイル「プラート」、視覚障害者誘導用タイル「SGタイル」、人工芝「サニータウン」